涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
〈21〉ーエピローグー
……サクへ。
残りの時間が少ないので手紙を書きます。
ずっとサクの隣にいれなくてゴメンなさい。
小さい頃、ずっとサクと一緒にいて毎日が楽しかったから、サクが突然いなくなるなんて思ってもみなかった。
だから手術が終わって、母さんからサクが引っ越したことを聞いて、とてもショックでした。
どうして黙って?って。
どうして一人にするのサク、って。
本当に突然だったから、裏切られた気分でした。
それと同時にあぁ俺はサクが大好きやったんやなって、気づくことができました。
サクといつか会えるかな…って思って過ごした8年間やった。
だけど真理が諦めずに何度も告白してくれて、圭都に背中を押されて、いつまでも会えない一人の女の子を想うのをやめて真理のことを大切にしようと心に決めた矢先……
サクが、この町に戻って来た。
それもまた突然だったから、俺はサクに冷たい態度をとってしまったっちゃん。ゴメンな。ほんと。