涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
レイの綺麗な瞳が真っ直ぐ私を見ている。
先に耐えられなくなってそらしたのは、私。
「手術が終わってからサクがおらんくなったって知って、俺、めっちゃショックやったとよ」
「本当はね、最後にここで会った時、言おうって思ってたんやけど……どうしても言えんかった。ごめんね?」
「もういいよ。だってサクにまたこうして会えたんやけんね」
8年前と変わらない笑顔を見せてくれたレイに私も笑った。
離れていた時間があまりにも長すぎて、ぎこちない空気感に悲しいなって思ったけど、でも、レイがあの頃と変わらない笑顔を見せてくれるから。
私も、なんだか、笑えたんだ。
「私も、ずっとレイに会いたかった……」
ずっとずっと会いたかった。
会いたくて、会いたくて、しんどかった。
苦しい地獄のような毎日の中で、レイとの思い出があったから、私は生きたいと願えていたんだよ。