涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
私には計り知れない。
「クラスのほとんどが参加しとるんやね……」
最後に圭都が来て4人で歩いて向かった先は、この田舎にはどう見ても不釣り合いな外観が奇抜な喫茶店だった。
カラフルでキラキラしていて、もはや喫茶店と呼べるのかもわからないけれど『太陽のカフェ』と大々的に看板に書かれてあるから喫茶店だよね……?
中に入るとクラスで見た顔がチラホラ。
顔を引きつらせる私に「お?新入りか?」とカウンター越しに話しかけて来たのはだらしなくヒゲを生やした……ウエイターさん?
戸惑う私に近づいて来た彼。
黒のストライプシャツに真っ黒の腰巻きエプロンとズボンをかっこよく着崩すその姿に、はてなまーくを付けずにはいられない。
「名前は?」
「……星野です」
「下は?」
「……咲夜」
私のことを品定めするかのように顎に手をあてて視線を向けてくる彼に、下の名前を教えたくないと思ったのはこの人が遊び人だろうなっていうのが雰囲気から伝わって来たからだ。
「咲夜っていうんー?かわいいねーっ!」
ガシッと私の肩に手を回す彼に頭が真っ白になる。
へ!?なんなん急にこのひと!!