涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


「でもサクは引っ越して来たばっかやけん、一人は危ないやん?」



それでもなお心配してくれるレイに胸がキュンとてしまう。


……ダメ。

私はだだの幼馴染なんだから。



「……だ〜!俺が送って行くけん!お前が心配すな!」



圭都が私の手を引いて「行くぞ」と歩き出す。


……えっ!?

ちょっと、手!!


別に引っ張って歩かんでもいいやんか!!



「サク!また学校でな!」



後ろからのレイの声に返事をしたいのにどんどん強引に私を引っ張る圭都。


結局返事ができないまま、圭都に引っ張られるがままに歩いた。



「ちょっと……痛いんやけど」



いつまで私の手を
そんな強い力で握り続けるつもりよ?



「……うお!?わりぃ!!」



あからさまに不機嫌な声を出した私に首根っこをかく圭都。


掴まれていた右手首が痛くて左手でさすった。



「麗矢のやつ、なに考えてんやろな?」


「……知らんし」



私に聞かんでよ。


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