涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
離れていた8年間、変わらず私にはレイしかいなかったけれど
レイにはちゃんと友達もいて、
大切な人もいて。
私だけが立ち止まったままだったんだ。
レイが遠いよ…ーーーー。
私、おいてけぼりだ。
「おはよう、咲夜ちゃん」
そのままなんとなく寝つけなくて空を見たり、ベッドに横になったりして、いつの間にか登った朝日。
それとなく制服に着替えてリビングに向かった。
お腹の大きい美紀さんが朝ごはんを用意してくれている。
「おはよう、美紀さん。手伝います!」
「いいとよ〜なんもせんで。ゆっくりお茶でも飲んどき」
白のカッターシャツの腕をまくって、美紀さんの手からお皿を取った。
「もう〜」と言われたけれど、手伝わないわけには行かんけん。