涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


離れていた8年間、変わらず私にはレイしかいなかったけれど


レイにはちゃんと友達もいて、


大切な人もいて。


私だけが立ち止まったままだったんだ。


レイが遠いよ…ーーーー。


私、おいてけぼりだ。



「おはよう、咲夜ちゃん」



そのままなんとなく寝つけなくて空を見たり、ベッドに横になったりして、いつの間にか登った朝日。


それとなく制服に着替えてリビングに向かった。


お腹の大きい美紀さんが朝ごはんを用意してくれている。



「おはよう、美紀さん。手伝います!」


「いいとよ〜なんもせんで。ゆっくりお茶でも飲んどき」



白のカッターシャツの腕をまくって、美紀さんの手からお皿を取った。


「もう〜」と言われたけれど、手伝わないわけには行かんけん。


< 55 / 259 >

この作品をシェア

pagetop