涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
「どう?学校は楽しい?」
「まだ3回しか行ってないけん、まだなんとも……」
美紀さんの質問に、つくり笑いで答えた。
本当は、あまり楽しくはない。
楽しいって感覚忘れてしまってるかもしれないっていうぐらい、そんな感情は湧いてこない。
ワクワクしたりしないの。
「そうなん?高校生とか絶対毎日が楽しくて仕方ないって時期やと思うんやけどね〜」
うん。そうだと思うよ。
私以外の高校生は。
みんなキラキラした顔で笑っとるもん。
「楽しまないかんよ〜。華の女子高生なんて人生の中でたった3年間しかないっちゃけんね」
「うん……。あっ!これどうするん?」
「これはね……」
私はみんなのように輝けない。
どうしても。
みんなとは違うから。