涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
この前も引っ越してきたばかりの私に気を使いすぎっていうぐらい過保護にしてもらったし。
これって幼馴染の特権かなぁ。
「さくやちゃーんっ」
校門を抜けたとき、むこうのほうで私に向かって手を振る先輩たち。
……入学してからというもの、こういうのが増えた。
苦笑いで会釈をしておく。
「やべ、咲夜ちゃんに微笑まれた!」
騒ぐ先輩たちを尻目に校舎に入った。
「咲夜ってめちゃくちゃモテとうよね」
「……別に」
それでもあまり嬉しくない。
私、レイ以外のヒトに興味ないし。
……なんてね。