涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
それでもまだ
納得のいってない顔をしてる。
……心配性か。
「ほら授業始まるけん、はよ行きーよ」
教室に残ってんの、圭都だけだよ?
「ん。なんかあるなら俺でよかったら聞くけんな?」
「なんもないけど、ありがとう」
圭都が眉を下げたまま教室を出た。
……優しいね、圭都は。
そしてタイミングを見計らったように4時限目の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。
……誰もおらん教室って、なんか変な感じ。
いつもは騒がしい教室がシーンと静まりかえっていて、他の生徒は授業を受けているのに、私はボーッとひとりでいる。
それにしても、
なんで私の体操着なくなったんやろ。
隠された……とか……?
でも誰がそんなことする……?
「…………」
しばらく考えて、考えることをやめた。
……果てし無く
どうでもいい気がして来たから。