涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。


落ち着かない心臓と、浮き足立つ心に戸惑いつつ、目の前にいるレイの綺麗な横顔を見た。


優しい目元と筋の通った鼻筋。

薄くて形のいいリップとシャープな輪郭。


色素の薄い瞳と髪の毛が、小さい頃から好きだった。


のどぼとけから鎖骨にかけてのラインも女の私と違って、とても男らしい。


……どこをどう見てもイケメン。



「なぁ、今でもやってるんや、アレ」


「アレ?」



私に目線を合わせずに、どこか懐かしそうな表情をしたと思ったら、レイがおもむろに空を指差した。


……ドクンッ。



「これ、俺の魔法」



レイの瞳が私を見る。それで高鳴る胸。


ニッと笑ったレイの顔から目がそらせない。


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