涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
ここでの思い出はほとんどがレイとの思い出で埋め尽くされている。
レイは私のこと覚えとるとかいな。
会って、私のことわからんやったらどげんしよう……。
誰?なんて言われたらきっと立ち直れない。
私はレイのこと片時も忘れたことなかったし、今でもあの頃のことはよく覚えているつもり。
レイはどうだろう?
……というか、生きてるよね?
あの時の手術、うまくいってるよね?
レイ、レイ。とても会いたい。
「ここが家やけん。間違えんとよ?」
「やからバカにしすぎって」
「ふーん?咲夜はバカに見えるんやけどね」
叔父さん!!!
怒った私を爆笑しながら見る叔父さんを叩く。
ほんと失礼。
これでも、頭はいい方なんですけどねっ!
「あら咲夜ちゃん久しぶりやね〜!疲れたやろ?はよ家に上がりなさい」
玄関に入ると叔父さんの奥さんである美紀さんが出迎えてくれた。
わあ……!
「美紀さんお腹大っきい!!」
「もうすぐ6ヶ月よ。高齢出産だから不安やけど頑張るつもり」