涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
〈7〉レイニーブルー
雨が神様の涙だなんて、メルヘンチックなことを言いだしたのはいったい誰なんだろう。
みんなの運命を握る神様も、泣いたりするのかな。
私が欲しくて欲しくてたまらないものを持っている人も、
悲しみに暮れて消えたくなったりするのかな。
「おい、大丈夫か?平気か?」
目を覚ました私の目に飛び込んで来たのは錆びた古い天井と、心配そうな顔をした……
「ここは……?」
「保健室。麗矢が運んでくれたとばい」
圭都の顔だった。
へにゃと笑って見せると圭都もぎこちなく笑ってくれた。
……これが、全ての答えだと思ったの。
レイが気絶した私を保健室まで運んで、目が覚めた時に待ってくれていたのはレイじゃなかった。