涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
お腹の中に赤ちゃんがいるんだ……!
すごい……。
「触ってみる?」
「え!いいんですか!?」
咄嗟に伸ばした自分の手を見て、手を引っ込めた。
「……いや、やっぱやめときます」
「え?なして?遠慮せんでいいとよ?」
「いや、今ちょっと手汚いけん」
こんな手では、触れられない。
赤ちゃんに悪影響だ。
これから生まれて来るのに。
人を殺めようとした手では触れない。
目線を下にしていた私に「立ち話もなんやし中に行こか」と叔父さんが場を和ませた。
……美紀さん、ごめんなさい。
変に思ったよね。
「ここが咲夜の部屋やけん、好きに使って。布団と机とタンスはそろえたけん、足りんもんがあったら遠慮なく言いなさい」
家の中を一通り案内されて、最後に私の部屋に向かった。
風通しがよくて、すごくいい部屋もらっちゃった。