涙があふれるその前に、君と空をゆびさして。
カチカチ…とシンを出すのもなんかぎこちなくて。
これって恋のせいなんかな?
ずっとレイに恋して来たけど、近くにおらんかったけん。
ずっとレイの幻に恋をしていたような感覚。
……これが恋なんや。
レイがいる方の右側半分に神経がかたよって行ってるみたいに緊張している。
そのくせ頬はだらしなく緩みっぱなしというか、無理やりチカラを入れてないと常に笑ってるかも。
……きっと変な人だと思われる。
こっそり。
隣にいるレイを見た。
真剣に黒板とノートを行ったり来たりする視線、横顔。
かっこいいなぁ。
ちょっと口あいとるし。
「…………」
おもしろいなぁと隣ばかりを見ていたその時。
バチッと目があったのは真理ちゃんだった。
慌てて目をそらす彼女に首をかたむける。
……私あんまり鈍い方じゃないからね?
嫉妬されてる?