コスメワールド
「あのう。とても多いから迷っちゃって…。どれを買えばいいと思いますか?」

こんなこと聞くんじゃなかった。店員さんは悩んでしまった。眉間に皺を寄せて考え込む、やっと声を出した。

「僕、実はバイトで、メイクコーナー担当じゃないんでよく分からないんです。今は品を並べるためにここにいたのですが…。本当に申し訳ありませんすぐに担当の者をまわすので…」

と本当にすまない顔をして謝った。

「いっいいんです。だいたい私がいけないし…。呼ばなくて構いませんから!」

彼はしばらくすると、また微笑んで応答した。

「ありがとうございます」

私は、彼に好意を抱いてしまった。
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