Dear
「…死なないよ!!」
そう言ったのは冬音。
冬音は雪の手を力強く握って雪の目をみた。
「死ぬわけないでしょ!冬と雪音は双子なんだよ!?一緒に生まれてきたの!……なのに…なのに………雪音だけが…そんなの……うぅっ」
いつもはあまり泣かない冬音の涙は、雪の死をリアルに感じさせた。
「冬音、ありがとう」
雪は冬音の頭をなでると、ゆっくりと起き上がった。
「雪、まだ寝てなきゃ…」
お母さんが駆け寄ってくる。
「お母さん」
雪はお母さんの目をまっすぐと見つめた。
「本当のこと、教えて?」
お母さんは哀しそうな顔をしてから、ゆっくりと頷いた。
「あのね、雪…。落ち着いて聞いてね」
雪はしっかりと頷いた。