Dear


「雪音は、そのまま病院に運ばれたの。」

「お母さん達は?」


「今、お父さんと一緒に先生の話きいてる」

冬音はベッドの近くの椅子に座ると、雪の手をきゅっと握ってきた。



「冬音…」

「ん?なぁに?」


「……泣いた…?」


冬音の目は、少し赤くなっていた。


「泣いてないよっ!ちょっと目が痛くなって…こすっちゃったっ」

へへへと笑う冬音。

嘘をついているのは、すぐにわかった。



「ケホ…」

「雪音っ!大丈夫!?苦しい!?」

「大丈夫」

「よかった…」

少し咳をしただけでここまで焦るってことは……






ただの風邪じゃないみたいだね。







< 8 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop