可愛い娘には裏があった
 しばらくした後、沈黙を破ったのは、やはりというべきか、天羽さんであった。

「おい」

「ひ、ひゃい」

 かんでしまった俺をどうかせめないで欲しい。
 だって、すごいドスの利いた声で話しかけられたんだもん。
 しかも、目が鋭い。
 正直恐いです、はい。
 でも、こんなときでも天羽さんは可愛いく見えてしまうから不思議である。

「昨日、見たよな」

 昨日見た、とは、やはり天羽さんがパンチングマシーンを暴言をはきながらやっていたとこだろう。
 さて、ここは正直に言った方がいいのか。
 正直に言ったと仮定しよう。
 ……今の天羽さんなら何をするか予想できない。
 ちょっと考えてみたけど、想像できなかった。
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