可愛い娘には裏があった
 俺は瞬時に考えて、……いや、本当は俺の中で答は決まっていたんだ。

「……天羽」

 どのくらいの時間俺は黙っていたんだろう。
 もしかしたら数秒だったかもしれない。
 あるいは十数分だったかもしれない。

 俺は天羽に声をかける。

 天羽は俺の目を離さない。

 そして、俺は天羽に告げる。
 天羽にとっては残酷なことを。

「ごめん、天羽。俺はお前とは付き合えない」
< 2 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop