可愛い娘には裏があった
第一話 可愛い娘には裏があった
 な、長かった。
 色んな意味で長かった。

 まず、このゲーセンにくる道のり。
 学校から地味に遠くにあるこの場所。
 学校の最寄り駅から十駅。
 さらには俺の家からは逆方向の立地、プラス五駅だから、余計にそう思ってしまうのかもしれない。

 もちろん、ゲーセンならもっと近くにある。
 たとえば、学校の近くとかにも小さいながら存在する。
 じゃあ、なんでそんな遠くまできたのか。
 それは先週谷風(たにかぜ)と遊んだ帰りに寄ったゲーセン、つまりここのクレーンゲームの景品をとるためだ。
 俺はそれを見て一目で分かった。
 絶対に優希(ゆうき)が欲しがる!
 そう確信した。
 可愛らしい優希が欲しがるものなら、例え遠くの地にそれがあろうともそれをとりにいく。
 俺の中の鉄則だ。
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