溺愛ユートピア
薄暗い部屋の中、携帯の画面だけが
部屋を明るく照らす
-- あの女の子ショートカットだったな
ふと昼間の二人の後ろ姿が浮かんだ
-- あー何考えてるんだろ自分
脳裏に浮かんだ姿を消して
ベッドで気持ちよさそうに寝ている彼を見た
-- …この生活もそろそろやめなきゃな
普段はあまり吸わない
テーブルに置いてあった彼の煙草を手にとって
窓の外の雨の音を聞きながら
静かに火を点けた