純恋愛花火
人込みから、離れた場所に着いた時、隼人の手が離れた。

そして、涙目の私を見て、隼人は、私の頭をぽんぽんしてくれた。


「花村、大丈夫?」

「ごめん、大丈夫、ありがとう」

私は、気持ちが落ち着いた。

「ごめん。みんなと離れて」

「大丈夫。…もともとさ。夏樹から花火会場着いたら、迷子になったフリして別行動してほしいと言われていたから」

「夏樹君が?」

「うん。まぁ、初めてのイベントだからね。嬉しいと思う」

その時、花火が上がった。
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