追伸,私は生きています。
目の前の看板から逃げるように、
残りの体力を使って走る。走る。


しかし、子供の体は弱い。
デコボコな森の道。
雨でぬかるみ、足に絡みつく泥。
雨に打たれて冷える身体。


駄目だ、と感じた時にはもう遅い。
私の体は中に浮いた。
そして、スローモーションのように地面が近づき、一瞬の息苦しさ。

それから─────



遅れてやってくる、激痛。
見れば、地面から飛び出した木の根に足が挟まっていて、
もう一つ突き出た細い根が、
私のお腹にめり込んでいた。


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