晴れ、時々、運命のいたずら



「1回は許してあげるわ。けれど、今度仲良くしたら…。分かっているわよね。」



「…。」



もう一度壁に勢いよく叩きつけたのち、胸ぐらから手を離した。


そのはずみで穂乃花の体が倒れ込む。


フンと鼻を鳴らして美咲は最後まで穂乃花を睨みつけたまま、その場から去って行った。



(痛い…。)



背中に痛みが走る。


俯き、座り込んだまま悲しくて動けない。



(私…、そんなに悪い事したの…。)



地面についている手の甲に涙が落ちる。



(私…、どうしたらいいの…。)



暫くしてフラフラと立ち上がると、傍に落ちている鞄を持ってヨロヨロと歩き出した。



(私…。)



ブラウスもスカートも汚れたまま、手で払う力も出せず、ただ歩き続ける。


涙だけは止まらない。


どうしても止まらない。



(私の気持ちって…。)


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