晴れ、時々、運命のいたずら



「ウィークリーチャート23位、推定売上枚数2685枚…。」



社長の直美は流れてきたFAXを見ながら、はぁ、と1つ溜息をついた。



「初週でこの枚数では、大失敗と言っても過言ではないわね。」



「申し訳ございません。」



島根が頭を下げる。



「あなたのせいではないわ。発売前後、結局どれだけプロモーション出来たの?」



「軽井沢でのラジオの公開生放送、東京でラジオ出演が発売前3本、発売後2本、雑誌取材2本、そして名古屋の発売イベントです。」



「少ないわね。」



「テレビやネット出演がなかった事も大きかったのではないでしょうか?」



「あの2人はどう?」



「香織さんはさすがに経験があるので、積極的に自分で売り込みに行くので外の印象も良いようです。愛姫さんは真面目なのですが、その真面目がアダとなってどうしても香織さんの影になっています。」



「そう…。」



その時、机の電話が鳴った。


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