晴れ、時々、運命のいたずら



「はい、山形です。」



島根が一歩控えながら直美の電話が終わるのを待つ。


直美は電話を切ると、先ほどと同じような溜息を再びついた。



「どうかなさいましたか?」



「やってしまったみたいよ。」



「え?」



「ジャパンスターの佐賀さんから電話があって、どうやら、うちの香織とジャパンスターの滋賀健人君が一緒にいる所を撮られたみたい。」



「滋賀健人君といえば、ジャパンスターさんが一押しの若手俳優ですよね?」



「ええ。今回は佐賀さんが週刊誌と話をしてくれたみたいで公にはならないみたいだけど、社長から話をしておいて下さいって。」



簡単に言えば、金で買収したのであろう。



「申し訳ございません。」



再び島根が頭を下げる。



「まぁ、いいわ。」



煙草を1本取り出し、口に咥えライターで火をつける。


フーッと白い煙を出した後、直美が島根に向かって真剣な表情を向けた。



「元々、私は2人がShipの中で競争してくれて、その上でいずれはどちらか1人を残すつもりだったから。」



「はい。」



「その計画も詰めていかないといけないわね。島根、協力してくれる?」



「分かりました。」


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