晴れ、時々、運命のいたずら
「香織さん。」
スタジオの休憩室で1人携帯を触っている香織に島根が話しかけてきた。
「な~に~?」
「社長から伺いましたが、ジャパンスターの滋賀健人さんと密会していたと言うのは本当ですか?」
「本当よ~。」
目を合わす事無く平然と答える。
「先日もお伝えしましたが、Shipは今、本当に大切な時期ですので、あまり些細な事で波を立てない様にして下さい。」
「別に怪しい事何もしていないし、島根にとやかく言われる筋合いはないけど~。」
「香織さんはShipで売れたくないのですか?」
「売れたい訳ないじゃん。」
「どうしてですか?」
「香織1人で十分やっていけるからよ。何であんな田舎者の世話しなきゃならないのよ。」
「愛姫さんは、頑張っていると思います。」
「何?島根はあの田舎者の肩持つの?」
「そうゆう訳ではありません。私はマネージャーとしてShipが売れて欲しいだけです。」
「あっそう。」
素っ気なく答える。
「香織さん。」
それでも島根は話しかけてくる。
「…。」
「香織さん。」
「…。」
「香織さん!」
「もう、何よ!」
苛立ちながら顔を上げた途端、香織の唇が何かを感じた。
「な、に…。」
何かが触れた。
島根の顔が近くに…。
「私は香織さんの味方です。」
島根は何事も無かったかのように部屋を出て行った。