晴れ、時々、運命のいたずら



「急性リンパ性白血病、の可能性があると言う事です。」



医師がカルテを見ながら伝える。



「急性リンパ性白血病…。」



(やはり…。)



鼻血が止まらなくなったり、疲れが取れない症状が少し前から続いていた。


風邪とは何か違う感覚。


その違和感を確かめる為、翔太は1人病院を訪れて、採血検査を受けていた。


その帰りに千夏と偶然出会ったのだが、その時はまだ検査を受けただけだった事と、何より愛姫に知られたくない為に、鼻の裏に傷が出来ていると伝えていた。



「まだ、可能性を述べただけです。もっとしっかり確認する為には骨髄採取をしなければなりません。」



「骨髄…。」



「部分麻酔をして腰に少し針を刺して骨髄液を採取する検査です。検査自体はすぐに終わりますのでご安心下さい。」



「もし、もし白血病だとして…。」



真理子が尋ねる。


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