晴れ、時々、運命のいたずら
「これは…。」
鮮やかな黄色。
「幸福のお守り…。」
翔太は有紗にお守りを渡すと、優しいまなざしを見せた。
「苦しい時、辛い時があったら、このお守りを見て香川を思い出して。故郷は、裏切らないから…。」
まんのう町の隣町、琴平町。
全国的にも有名な金刀比羅宮(ことひらぐう)、通称こんぴらさん。
1368段ある参道の石段を登り、御本宮神札授与所で授与出来る幸せの黄色いお守り。
「これを私に…。」
「東京に…、持って行ってくれるか?」
翔太の問いかけに、有紗は見つめながら微笑んだ。
「もちろん。」
「必ず、東京に迎えに行くから…。」
「きっと、よ。」
「ああ。」
2人は見つめ合いながら、今度は深い口づけを交わした。