晴れ、時々、運命のいたずら



「原宿にもう1つ、マンションがあるから。」



太一郎に再び襲われた事を直美に報告すると、引っ越す事を提案された。



「すみません。ありがとうございます。」



「オートロックを抜けて、玄関の前まで待ち伏せするなんて、これはもう事件だわ。一応警察には話をしておくから。」



「はい。」



太一郎に襲われた事は報告したが、同時に見た黄色いパーカーの男性の事は報告しなかった。



(あの人は何故、私の本名を知っていたのだろう…。)



一番気になった事。


もしかしたら、自分がデビューする前から知っている人物かもしれないと。



「ところで愛姫、3曲目のレコーディングはどう?」



「順調です。」



「それは良かった。実はね、この後、話があるの。香織も呼んでいるから。」



「はい。」


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