晴れ、時々、運命のいたずら



「香織、知りませんか?」



「凄い勢いで出て行きましたよ。後から島根さんも出て行かれましたが…。愛姫さんは香織さんの所へ行かれますか?」



事務スタッフの1人に確認される。



「ええ。」



「ではすみませんが、これ、香織さんに渡してもらえますか?すごい剣幕で床に叩きつけて行きましたから。」



携帯を渡される。



(香織の携帯…。そういえば…。)



『いつも携帯ばかり触っていますが、何されているのですか?』



香織は普段、愛姫や島根といる時はあまり喋らず携帯ばかり触っている。


ずっと気になっていた。


操作して携帯画面を表示させてみる。



(ゲームとかしてるのかなぁ…。)



「ん?」



見慣れないアプリが表示されている。



(このアプリ何だろ?)



人の携帯を勝手に触る事はモラル違反だと分かっているのだが、以前から気になっていた気持ちと、香織をもっと知る事が出来ると思うと、申し訳ない気持ちを持ちながらも目に入ったアプリをそっと表示させた。


そこに表示されてあった事。


自然と肩が震えてきた。



(これが香織が携帯を触っていた正体…。)



そこには愛姫が想像していなかった事が記載されていた。


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