晴れ、時々、運命のいたずら



目が覚めるとソファの上で眠っていた事に気が付いた。


肩からタオルケットが掛けられてある。



「大丈夫か?」



声をした方を見る。



「兄さん…。」



ゆっくりと体を起こすと、温かなコーヒーが入ったマグカップが差し出された。



「勝手に台所使ったぞ。」



「ありがとう…。」



愛姫の兄、青森隼太(あおもりはやた)が向かいのソファに座った。



「何年振りだろうな。」



「私が小学生の頃だから、7年振り、くらいかな。」



コーヒーを口に付ける。


コーヒーの苦みがぼんやりとした頭の中を気分転換させてくれる。



「俺が小学4年生、有紗が小学1年生の時に離婚して、俺が父さんと東京に行ってしまう直前に会ったのが最後だよな。」



「ずっと、元気だった?」



「お陰様でな。」



隼太の服装を見てふと思い出した。


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