晴れ、時々、運命のいたずら
あれから半年。
『大嫌い!もう2度と話しかけないで!』
千曲川の河川敷で告白されてから。
必要最低限の会話しかしなくなっていた。
ずっとずっとこれでいいのだ、と心の中で言い聞かせてきた。
それが…。
メモを通して会いたいと言われたのは初めてだ。
自然に稔を目で追いかける。
教室の中で他の男子生徒と仲良く会話をしている。
(はっ。)
目が合いそうになったので思わず下を向いて目線を外した。
『声を掛けるのは最後だから…。』
(最後…。)
その言葉が深く残る。
再び顔を上げると、今度は美咲の姿を捉える。
『副委員長に遠慮する事ないって。』
(いいよね。)
自分に言い聞かせる。
(遠慮なんてしなくても。)