晴れ、時々、運命のいたずら
「最後だからどうしようかと思って調べていたらね、福井県に毛谷黒龍神社と言う神社があって、力と知恵をくれる神社なんだって。宮崎さん、ポエム書く事好きでしょ?想像力を向上させる力をくれるらしいから、ピッタリかなと思って。」
ニコニコと話してくれる。
「福井まで…、わざわざ福井まで…、貰いに行って…。」
「この前の日曜日にね。何だかよく分からないけど、長野から富山、石川と通って行って来た。5時間もかかっちゃった。後から調べたら、名古屋に出た方が早く行けたみたいで。俺、バカだから全然分かってなかった。」
頭を掻きながら苦笑いを浮かべる。
「そんな…。」
そんな稔を見ていると自然と涙が溢れてくる。
「私なんかの為に…。」
「宮崎さん。」
「はい…。」
「色々ごめんね。お節介な事ばかりしてしまって…。」
「そんな事…。」
「俺、やっぱり宮崎さんの事好きなんだ。嫌がられてるのは分かってる。」
「私…。」
(千葉君の事、嫌いなんかじゃない。むしろ…。)
「もう会う事もないから、バカなクラスメイトの最後の我が儘だと思ってこのお守りだけ受け取って。後から捨ててくれてもいいから、今、この一瞬だけ幸せな気持ちでいさせて。」
「千葉君…。」