晴れ、時々、運命のいたずら



「無事、解散宣言も終えた所でShipの3曲目はどう?」



「ウィークリーチャート4位、推定売上枚数19254枚。ダウンロード数も含めると、恐らく3万枚は超えていると思われます。」



「過去最高ね。」



「はい、やはり解散効果もあったと思います。」



「いい最後を迎える事が出来そうね。で、島根。どうして辞めるの?」



直美は社長室で提出された辞表を眺めながら、目の前に立っている島根を見上げた。



「私にはこれ以上お仕えする理由がなくなったからです。」



「Shipの2人、が何か関係があるの?」



「いえ、何もありません。」



顔色1つ変えずに答える。



「この前の週刊誌に香織が滋賀健人君との熱愛を撮られていたけどその影響は?」



「ジャパンスターの佐賀さんはShipが解散し、香織が引退するならこれ以上、事を荒げないと言っております。」



「島根はどう思っているの?」



「どう、とは?」



「香織の事よ。」



目線を外さず尋ねる。



「私には関係のない事です。」



「そう…。」



直美は立ち上がると、ブラインドを上げて外を眺めた。


穏やかな光が差し込む。



「Ship最後のイベントは?」



「特に大きなイベントは行いません。デビューして1年も経ってませんからね。今度の土曜日のテレビ出演で終了です。」


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