晴れ、時々、運命のいたずら



『大丈夫だよ。愛姫は絶対これからも頑張るはずだから…。俺と約束したから。福岡翔太。』



(俺と約束…。)



稔との別れ、Ship解散の辛い現実から自分を救ってもらいたい思いから、穂乃花はShipが解散する事を教える為に翔太にメールを送ったのだが、その返信を見てふと気が付いた。



(愛姫さんと翔太さんって知り合いなのかな?そういえば…。)



愛姫も翔太も香川県出身だ。



『翔太さんは愛姫さんと知り合いなのですか?約束って…。宮崎穂乃花。』



数分後。



『幼馴染なんだ。中学卒業後、アイドルになる為に上京する愛姫に必ず迎えに行くと約束して送り出した。香川県にこんぴらさんという神社があって、そこの幸せの黄色いお守りを渡して…。俺は、愛姫の事を愛してる。だから俺も香川から応援している。福岡翔太。』



(そうだったんだ…。)



出会いの運命を感じる。



(松本城で偶然出会った翔太さんが愛姫さんの恋人だったなんて…。)



その事実は、辛い現実に直面していた穂乃花に、かけがえのない喜びをもたらした。


< 198 / 313 >

この作品をシェア

pagetop