晴れ、時々、運命のいたずら
しなの鉄道、屋代駅ホーム。
「本当にこんなに遠くまでわざわざありがとうございました。」
穂乃花が深く頭を下げる。
「穂乃花ちゃんに会いに来て本当に良かった。」
愛姫も笑顔で返す。
「お婆様にもよろしく言っておいてね。」
「はい。」
「そうだ。」
愛姫は鞄から1枚のプリントを取り出した。
「実は、来月なんだけど、群馬県の高崎のファッションモールで初めてのソロイベントがあるの。もし良かったら、お婆様と一緒に見に来てくれないかな?来てくれたら、当日スタッフに穂乃花ちゃんの名前を言ってくれたら、新幹線代は渡すから。」
「そんなのはいいですよ。」
「いいのいいの。これは私からの気持ち。本当に来て欲しいの。」
「私…。」
笑顔で言う愛姫に、穂乃花は思わず嬉し涙がこぼれた。
「どうしたの?」
「私…、愛姫さんのファンで良かったです!」
「私も穂乃花ちゃんのようなファンがいて嬉しい。」
「あの…、愛姫さん。」
今度は穂乃花が鞄からメモ用紙を取り出した。