晴れ、時々、運命のいたずら



(その通りなのだが…。)



『必ず、東京に迎えに行くから…。』



『きっと、よ。』



上京する直前に交わした約束。



(もう、有紗は俺の手の届かない所まで行っているのかもしれない…。)



けれど。



(俺にはあまり時間がない。)



自室で1人考え込んでいた翔太の携帯がブルブルと震えた。



「穂乃花ちゃんかな?」



入院してから、徐々に友達からの連絡も減って行った。


それは治療に集中してもらいたい思いからの優しさでもあった。


なので、最近は穂乃花からのメールしか来ない。



「えっ?」



ゆっくりと携帯の画面を開くと、その宛名に思わず目を見開いた。


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