晴れ、時々、運命のいたずら



「今日から、島根に代わってマネージャーとなってくれる宮城さんよ。」



「愛姫ちゃん、宜しくお願いしますね。」



社長室で直美が紹介すると、宮城典子(みやぎのりこ)が微笑みながら頭を下げた。


濃紺のスーツをカッコ良く着こなす、いかにもキャリアウーマンと言った女性だ。



「こちらこそ宜しくお願い致します。」



愛姫も合わせて頭を下げる。



「宮城さんはね、元々テレビ局に勤めていてね。テレビ、ラジオ関係には繋がりが多いから、これからどんどん露出増えるわよ。」



「そうですか。」



「愛姫ちゃん、これからは私が言う通りのスケジュールをただこなして行けばいいから。」



タブレットを開きながら素っ気なく伝える。



「分かりました…。」



「愛姫、Shipが解散していよいよあなたの時代がやって来るの。まずは来月の高崎のイベントからだけど、これからは地方イベントは徐々に減らして、テレビ出演にウェイトを置いて行くから。」



直美も典子に期待しているようだ。



「それでは早速ですが、今後の打ち合わせをしたいと思いますので、あちらの部屋で話をしましょうか?」


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