晴れ、時々、運命のいたずら



「高崎でのイベントね。
一応、信用問題になるので、10時入りは絶対遅れない様にしてね。
場所は分かるわよね?
まぁ、大したイベントではないので1人で気楽に行って来てね。
私はレッスン生のスケジュール調整があるので、スタジオにいるから。
ああ、あと終わったらすぐに戻って来て。
19時から赤坂で打ち合わせがあるから。
いいですか?
帰りは打ち合わせがあるので新幹線を使用して貰っていいですが、行きは絶対、在来線ですよ。
社長から経費削減ってうるさく言われてるから。」



昨日、典子から一方的に言い渡され、愛姫は車の助手席に乗って高崎に向かっている。



「兄さん、ごめんね。使っちゃって。」



隣で運転している隼太に頭を下げた。



「別にいいけどさ。それにしてもアイドル1人でイベントに行けって、ちょっと酷いよな。」



「うちは小さな事務所だから典子さんも忙しいのよ。」



窓の外に目をやる。


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