晴れ、時々、運命のいたずら
(穂乃花ちゃん…。)
『やっぱり好きだから…。後悔したくないから…。自分に素直になります。』
(気持ち、しっかり伝える事が出来たんだ。)
心の中に安堵感が広がる。
『会えなくなって後から後悔するよりも、会えるうちに自分の出来る事、やり遂げた方が良いと思うな。』
(私、穂乃花ちゃんに偉そうに言えないな。)
すっと立ち上がる。
「必ず来ているはず。もう一度探してみよう。」
その時、鞄の中の携帯の着信音に気付いた。
(典子さんかな?)
仕事の電話と思い、取り出して開く。
(ん?兄さん?)
画面には青森隼太の文字。
「兄さん、どうしたの?」
「有紗、忙しい所悪い。」
「いや、大丈夫だけど。」
「今すぐ香川へ帰れ。」
「え?」