晴れ、時々、運命のいたずら



典子と赤坂で出会う3時間前。



「どうして香川に帰らなければならないの?」



隼太からの電話。



「有紗、翔太と連絡取っているか?」



「最近メールでやり取りしたけど…。」



「翔太が半年前から入院している事は知っていたのか?」



(入院…?)



思わず言葉が出ない。



「やっぱり、知らなかったんだな。」



「どうして…、兄さんは知っているの?」



「さっき、母さんから電話があった。」



(母さん…。)



「翔太は…、どうして入院しているの?」



恐る恐る尋ねる。



「…急性リンパ性白血病だ。」



(急性リンパ性白血病…。)



名前は聞いた事はあるが、詳しくは知らない。



「安心しろ。入院していたが、最近退院したらしい。」



「安心しろって言われても…。」



「そうだろ。不安になるだろ?母さんも有紗に言おうか凄く迷ってた。とにかく翔太から絶対に言うなって言われてたみたいだからな。」



(翔太…。)



「母さんが言うには退院して元気らしいけど、一度戻ってみてはどうだ?翔太も必ず喜ぶと思うけどな。」


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