晴れ、時々、運命のいたずら



『高崎での愛姫さんのソロイベント。無事に終わりました。私、見に行きました。翔太さんは来られていたのですか?宮崎穂乃花。』



メールを送ってから、もう何日も経っているが翔太から返事が来ない。



(翔太さん、どうしたのだろう…。)



穂乃花は、パソコンを見つめながら、少し寂しい表情を見せた。


間違いなく、高崎へ来ると思っていた。


また、再会出来ると思っていた。


しかし、その思いとは裏腹に、高崎での愛姫のイベントに翔太が姿を見せる事は無かった。



(愛姫さんはどう思っているのだろう…。)



自室に戻り、机の引き出しからピンク色の封筒と便箋を取り出す。



『富山愛姫様。
長野まで来て頂いてありがとうございました。
先日の高崎のイベント、見に行きました。
長野で私の悩みを聞いて下さったお陰で、こんな私にも勇気が出て、しっかりと自分の思いを伝える事が出来ました。
本当にありがとうございました。
…高崎のイベント、翔太さんの姿を見かけませんでした。
私は必ず来ていたと信じているのですが、メールを送っても返事が来ません。
ごめんなさい、勝手な事しているようですが、何だか心配で…。
翔太さんが愛姫さんを迎えに行く日を私も楽しみにしています。宮崎穂乃花。』


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