晴れ、時々、運命のいたずら



普段は冷たく威張っていても、陰で努力していた香織。


その香織とShipとして1年半という期間だったが共に活動してきた。


今思うと、大切な人生の財産だと言える。



「ありがとう…。」



「別にお礼を言われるほどでもないわ。」



「香織は、健人君とは…。」



「もう会ってない。それが事務所との約束だったし。」



香織は子役時代からの盟友、滋賀健人との写真を週刊誌に撮られ、その責任を負わされる形で芸能界を引退していた。



「そっか…。」



「どう?ソロ活動は?」



「いろいろ大変。特に最近はテレビやラジオの仕事も1日に何本も打ち合わせがあるし。」



「そう。」



短く返事をした後、またアイスコーヒーを口に含む。


その様子を見つめながら、愛姫は意を決した様に香織に話し始めた。


< 269 / 313 >

この作品をシェア

pagetop