晴れ、時々、運命のいたずら
普段は冷たく威張っていても、陰で努力していた香織。
その香織とShipとして1年半という期間だったが共に活動してきた。
今思うと、大切な人生の財産だと言える。
「ありがとう…。」
「別にお礼を言われるほどでもないわ。」
「香織は、健人君とは…。」
「もう会ってない。それが事務所との約束だったし。」
香織は子役時代からの盟友、滋賀健人との写真を週刊誌に撮られ、その責任を負わされる形で芸能界を引退していた。
「そっか…。」
「どう?ソロ活動は?」
「いろいろ大変。特に最近はテレビやラジオの仕事も1日に何本も打ち合わせがあるし。」
「そう。」
短く返事をした後、またアイスコーヒーを口に含む。
その様子を見つめながら、愛姫は意を決した様に香織に話し始めた。