晴れ、時々、運命のいたずら
「この後…、10時からラジオの収録。そして12時30分からマリンプロモーションの福島社長と昼食会…。」
タブレット見ながら淡々と伝えてくる典子の言葉をただ聞いているだけ。
「ねぇ、愛姫ちゃん。聞いてる?」
返事もせず、俯いているだけの愛姫に強い口調で問いかけてきた。
「はい…。」
そこへ社長室の扉が開いて直美が出てきた。
「おはよう。」
「おはようございます。」
「おはようございます…。」
声を上げて挨拶をする典子と対照的に、愛姫は弱々しい声で挨拶をする。
その声に反応して直美が愛姫の顔を覗き込んできた。
「愛姫、ちょっと顔色悪いんじゃない?」
「そうですか…。」
「ねぇ、宮城さん。愛姫、ちょっと仕事やり過ぎじゃないかしら?」
直美の目線が典子に移る。
「そんな事はありませんよ。毎日、適度に仕事は回していますから。」
自信を持って答える。
「愛姫、あなたいつから休んでないの?」
「私…。」
あまり深く考えていなかった。
「いつからだろう…。」
天井をぼんやりと見つめながら思い出す。