晴れ、時々、運命のいたずら



「宮崎さんって、北海道から来たの?」



休み時間。


穂乃花に興味を持った女子生徒達数人が机を囲んでいる。



「旭川、って町から来ました…。」



「どうして千曲に来たの?」



「お父さんの仕事の都合で…。」



「声小さいね。」



女子生徒の1人が優しく呟く。



「ごめんなさい…。もともと声が小さくて、人見知りが酷いから…。」



少し俯き恥ずかしそうに小さく答える。



「いいのいいの。少しずつ慣れて行けばいいから。」



「ねぇ、宮崎さんって趣味ってあるの?」



別の女子生徒が尋ねる。



「…書く事。」



「えっ?」



あまりに小さい声なので、数人の女子生徒達が聞き返した。


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