晴れ、時々、運命のいたずら
『では、ご自身で自己紹介をお願いします。』
『はじめまして!Shipの奈良香織、17歳です!』
『はじめまして!Shipの富山愛姫、17歳です!』
『元気に自己紹介をしてくれました。』
『お2人は長野初めてですか?』
『はい。』
『私も初めてです。』
『軽井沢どうですか?』
『避暑地だけあって、とても風が気持ちいいですね。』
聞いているか聞いていないかの状態のまま、穂乃花はラジオを流し続ける。
『早速ですが、リスナーの皆様にはShipのデビュー曲を今日特別に聞いて頂きましょう!』
『曲紹介を香織ちゃん、お願いします!』
『はい!来月発売のShipのデビュー曲、私の彼、です。どうぞ!』
穂乃花の部屋をPOPな音楽が包み始める。
(クラスのみんなはこのアイドルって知っているのかな…。)
歌い出しが終わり、次のパートへと移った。
歌い出しと次のパートでは歌っている人間が変わる。
次の歌い出しを聞いた瞬間、穂乃花のポエムを書いていた手が止まった。