晴れ、時々、運命のいたずら
(この声は…。)
歌は歌い手を変えながら流れていく。
穂乃花はポエムを書くのを止め、ラジオを耳元に近づけ、Shipの曲を聴き入った。
(この人の声…、とても綺麗…。。)
ラジオが流してる歌は、生歌ではなく、事前にレコーディングを済ませて調節した歌なのは穂乃花でも分かっていたが、2人の内、どちらか1人の声、質が穂乃花にとって心に入って行くように素晴らしく感じた。
(凄く素敵な歌…。)
歌が終わると、再びトークが始まった。
『この曲は、大好きな彼を思っている女の子の気持ちを歌っているのですね?』
『はい。』
『歌い出しはどちらが担当ですか?』
『私、奈良香織です!』
『それで、続いて愛姫ちゃんが歌っている訳ですね?』
『はい!』
(私が素敵と思った歌声は歌い出しから次のパート。という事は、愛姫って人が歌っている部分…。)
穂乃花は、突然部屋を出ると、そのまま外に飛び出して行った。