晴れ、時々、運命のいたずら
「お2人ともお疲れでした。」
控室のテントに入ると、島根が立ったまま待っていた。
「ちょっと、田舎者。」
香織がテントに入るなり睨んでくる。
「佐渡島が新潟くらい、香織でも知ってるわよ。いちいち訂正しなくてもいいの。」
「じゃあ、どうすれば良かったのよ?」
「一緒にそうだ、ぐらい言ってよ!あんたのその優等生ぶった所が気に入らないのよ!」
「まあまあ、香織さん。初仕事も無事終えた事ですし、穏やかに行きましょう。」
「まぁ、こんな田舎での仕事なんて香織にはどうでもいいけど。」
捨て台詞を残して香織は携帯電話を触り始める。
島根はテントを出て再び関係者に挨拶し始めた。
(軽井沢…。初めての仕事。一生忘れる事ないな…。)
愛姫もテントを出て心地よい風を受けながら、初仕事を終えた喜びを感じていた。