晴れ、時々、運命のいたずら
『H』
(H…。)
穂乃花の後だっただけに余計に不審にも思ったが、便箋を取り出してみた。
真っ白な便箋にはただ一言、パソコンで打ち込んだ文字が書いてあるだけだった。
『来月デビュー、頑張って下さい。』
「何この手紙~。愛姫ちゃん大丈夫~?」
香織が覗き込みながら話しかけてくる。
「大丈夫よ。」
「気を付けてよ~。誰かに狙われたりしたらShipとしても困るから~。」
(結局、自分が可愛いだけじゃん。)
口に出して言うと香織に何を言われるか分からない。
愛姫は、気を付けるね、と言って2つの封筒を自分の鞄に片付けた。