カラダ探し~第三夜~
でも、龍平には行けって言っちゃったからなあ。
何時に行くという約束はしてないけど、適当な時間に行けば良いよね。
部屋着のまま、着替えもせずにキッチンに下りた私は、何か食べるものがないか冷蔵庫をあさっていた。
うわっ、何もない。
昨日の夜にいなかったんだから、私の晩ご飯くらいあっても良いのに。
「ねぇ、ママ! 朝ご飯ないの!? お腹減ったんだけど!」
リビングのソファで寝転がっているママに尋ねてみると、寝ぼけたような声で呟く。
「あんたが晩ご飯食べてなかったから、ママが代わりに食べたんじゃないの。だから、ママの朝ご飯はいらないわ。留美ちゃんの分だけで良いわよ」
留美ちゃんの分だけで……じゃないっての!
その私が食べる分がないってのに。
「もうっ! おばあちゃんはどこに行ったのよ!」
「おばあちゃんは老人会の旅行だって。帰るのは明日」
あーっ! 我が家の唯一の常識人がいないなんて!
普段は口うるさいおばあちゃんも、家の事だけはしっかりするから好きなのに。